中学校で先生が昼食に店からうどんを取っていた
60年くらい前(昭和30年頃)、中学校の先生しよった頃は、よううどん食べた。学校の周りにうどん屋が3軒もあって、お昼になったら、お店へ注文して学校に持ってきてくれたうどんを先生方は食べよった。大食漢の先生は、うどんと一緒にいなり寿司やばら寿司も注文して両方食べよったで。給食ができる前の時代やから、家から弁当持ってくる人もおったけど、ほとんどの先生がうどんを出前してもらいよったな。早いし、安いしな。中学校の先生専用のお店みたいになっとったわ。
3軒のうち、一つは「斉藤うどん」。しょうゆといりこの出汁やったな。もう1軒は「青木」いうとこで、甘口っぽい出汁や。もう1軒は名前も忘れてしもたなあ。今は中山病院の横にメガネ屋があるけど、たしかそのへん…西中(丸亀市立西中学校)の前あたりにあったわ。おじいちゃんとおばあちゃんが店しよった。具はどこも大体いっしょや。根深とあぶらげとかまぼこが入っとる。で、お金がある時は肉入れてもろてな、肉うどんにしてもらっとったな、えへへへ。
たまに、よそへ食べに行くこともあった。さっきの3軒にたったら(飽きたら)、土器川脇の城東小学校の前にあった、別のうどん屋まで行っとったわ。そこは純然たるしょうゆうどん。出汁ではなくて、しょうゆだけかけるんや。出前のうどんと違って店で食べるうどんはアツアツ。これにしょうゆをチョッとかけて、シャッと食べる。おいしかったで。
ほんまもんの自家製うどん
そのしょうゆうどんの店は、おじいさんとおばあさんが二人で商売しよった。自分とこで作ったうどんを包丁で切って茹でて出っしょったんや。今はいっぱいある専門店のはしりかもしれんな。
朝にな、生地をいっしょけんめ踏んで、だんごにしておいとってな。食べやすいようにひと玉ふた玉と細長く切って、お客さんが来たらそれを湯がいて、ちょとずつ出しよった。ほんまもんの自家製や。おいしかったけん、人がようけほうぼうから来よったで。