農作業が終わったら家族だけでうどんを食べていた
- 小さい頃、うどんはどこで食べていましたか?
- うどんは食べに行くもんでなくて、家で作るもんやったな。うちは農家やから、農繁期が終わったら近所の製粉屋さんで麦の粉買ってきて、練って、うどん作っりょった。粉は旧道の…今でもやっりょると思うわ、木下製粉ってとこで買いよったな。
- そのうどんはどんなふうに食べてた?
- そうやな。ネギいれたり…しっぽくみたいにしよったような気もするな。田植えと稲刈りが終わったら、うどん作って食べる。それはうちの家では決まりみたいなもんやったわ。けど、うちの家族だけで食べとった。近所がみんなで集まって食べることはなかったな。
寒川にはうどん屋は「たわらや」一軒だけしかなかった
- 寒川にうどん屋さんはなかった?
- 一軒しかなかったな。「たわらや」っていう。今の長尾街道のムーミーの向かいくらいに店があって、小学校高学年(昭和30年代)の頃にお昼におこづかい握りしめて食べに行きよった。1杯30円。素うどんやけどな。ネギ、なると、天かすみたいなんがのっとったと思う。
- その店のメニューは素うどんだけ?
- いや、きつねうどんとかはあったと思う。あとバラ寿司。うどんとバラ寿司はいつも一緒に食べよったな。農家で貧しいからおこづかいなんてもらえんかったけど、たまに「お駄賃」でもらったお金で食べに行ってたなあ。