さぬきうどんのメニュー、風習、出来事の謎を追う さぬきうどんの謎を追え

vol.75 新聞で見る讃岐うどん

新聞で見る平成の讃岐うどん<平成28年(2016)>

(取材・文: 記事発掘:萬谷純哉)

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  • vol: 75
  • 2024.01.11

引き続き、みんなが「うどん」で遊んでいます(笑)

 新聞で見る限り、平成28年(2016)の讃岐うどん界は特に大きな動きはなかったようですが、うどん店の現場では「讃岐うどん巡りレジャー」が相変わらず絶好調で、それを受けて業界各所でうどんをネタにした商品開発やイベント等々がちょこちょこと行われているという構図が続いています。ではまず、うどん店の概況から。

県外からの「うどん巡り客」は依然好調、うどん店の数は減少傾向

 四国新聞がうどん店100店からアンケートを採って、「うどんブーム」の現状を分析していました。

(2月12日)

勝ち組、負け組 二極化 県内うどん店調査 適正な店舗数へ

  県内の代表的なうどん店100店を対象にした四国新聞社の調査で、人気店が来店者数を維持する一方、客数が減った店もあった。うどんブームは依然続いているものの、勝ち組と負け組に振り分けられる状況が見られる。「外国人観光客が増えた」とする店も半数近くあり、うどん店の活況状況は新たな展開を見せ始めている。

<ブーム継続実感>

 うどんブームは2000年頃には定着し、その後、09年の「千円高速」の頃にピークを迎えた。今では人気店の長い行列はすっかりおなじみの光景になった。最近の状況に関し「うどんブームは続いていると思うか」と尋ねると、55店が「そう思わない」と答える一方、「そう思う」も27店あった。「分からない」は18店だった。ピークが過ぎたと感じる店は「行列ができなくなった」(綾川町のセルフ店)、「県外客が減った」(まんのう町のセルフ店)などを理由に挙げ、「はやる店とそうでない店がはっきりしてきた」(丸亀市のセルフ店)、「有名店に客が集中している」(高松市のセルフ店)と二極化を指摘する声が目立った。1年前と比べた来店者数については、ピークが過ぎたと感じる55店のうち15店は「減少した」と答え、逆にブームが続いているとみる27店では13店が「増えた」と回答。客足を維持している店は、ブーム継続を実感しているようだ。

<客足は変わらず>

 二極化が進む中、廃業に追い込まれた店もある。前回調査(14年4月)で対象にした100店のうち、5店が今回調査までの間に閉店。調査は四国新聞社のウェブサイト「讃岐うどん遍路」のアクセス上位店を選んでいるため、業界全体ではさらに状況は厳しいとみられる。観音寺市のセルフ店は「ここ5年で100店ぐらい減ったのでは」とみている。四国学院大の田尾和俊教授は、うどん店の客数について「(ブーム当初の)2000年頃と大きくは変わっていないだろうが、その後、『千円高速』などで一時的に客数が増えた時期があり、店はその頃と比べると減ったとの印象を持っているのでは」と分析。うどん店の経営に関しては「市場規模に対して明らかに店が増え過ぎた。適正な店舗数に戻っているのだろう」と話している。

<認知度がアップ>

 外国人の来店数をめぐっては、45店が「増えた」と答え、「変わらない」の51店に迫った。徐々にであるが、外国人の間でも讃岐うどんの認知度が上がっていることがうかがえた。「外国人向けの対応をしているか」との問いでは、86店が「していない」。外国語メニューの用意、従業員への語学指導などの対応を「している」とした店は14店だった。瀬戸内国際芸術祭の開幕も3月20日に迫る。さらなる外国人観光客の増加が見込まれるだけに、うどん店の「国際化」はますます進みそうだ。

 アンケート結果を要約すると、「うどんブームは続いていると思うか?」という質問に対し、

●「続いていると思わない」…55店(55%)
●「続いていると思う」………27店(27%)
●「わからない」………………18店(18%)

という回答があったとのこと。調査した100店のうち半数以上が「ブームは続いていない」と答えたそうですが、記事中に「ピークが過ぎたと感じる55店のうち…」とありますから、この質問は「ブームが続いているかどうか」と「ピークが続いているかどうか」の2つの視点が混在していて、ちょっと紛らわしいかもしれません。

 記事の冒頭にもありますが、ブームの経緯を再度整理しておくと、1990年代後半から始まった県外客の「讃岐うどん巡りブーム」は2000年頃に最初のピークを迎え、それが少し落ち着いた2006年に映画『UDON』の公開で“2段ロケット”が発射し、それが落ち着いてきた2009年に「1000円高速」で“3段ロケット”が大噴射し、その特需が終わった2011年に県が「うどん県」宣言をしました。その間、おそらく年間数百万人単位の県外客がずーっと継続してうどん巡りにやって来ていて(「讃岐うどんの謎を追え・vol.18」参照)、「1990年頃の状態に戻った」という局面は一度もないまま今日に至っていますから、このアンケート結果は「2010年頃の“1000円高速”による“特需ピーク”が続いているかどうか?」という意味で答えられた数字だと思います。

 そう考えると、「1000円高速」が終わった2011年以降、“特需ピーク”は収まったので、「ピークが続いていると思わない」と答えた店が半分以上の55店あったというのは、まあ妥当な数字だと思います。それより、特需が終わったのに「ピークが続いている」と答えた店が27店もあったのは、特需を一過性のものではなく「リピーターにつなげた」という点で、讃岐うどん店のポテンシャルの高さを改めて見せつけたと言えるかもしれません。

 一方、観音寺のセルフ店が「ここ5年で100店ぐらい減ったのでは?」とコメントしていますが、それもほぼ正解。『讃岐うどん全店制覇攻略本』の調べでは、香川のうどん店の数は2004年頃の800店超えをピークに、2010年頃には約750店、2015年頃には700店を切り、2020年頃には600店を切るあたりまで減っているようです。その要因としては、まず、いかにブームが来たとは言え2004~2005年頃の「800~850店」という数が市場規模に対して多すぎたため、それが10年くらいかけて適正な数に淘汰されてきたのではないかと推測されます。

 また、その後のさらなる店舗数減少傾向については、大型の大衆セルフチェーン店が増えたことが大きな理由の一つだと思います。これは、大型商業施設が1つできると周辺の小規模の商店がいくつもなくなっていくのと同じ経済メカニズムで、大型のうどん店が増えると小規模のうどん店がそれ以上に減るわけですが、“総席数”はそれほど減っていないことが多く(むしろ増えているかもしれない)、必ずしも「店舗数の減少=経済規模の縮小」というわけではありません。

 あと、見出しに「勝ち組、負け組 二極化」というちょっと大げさな表現がありますが、「人気店とそうでもない店の二極化」という点では、ブーム当初の方が大きかったと思います。大きな流れとしては、2000年頃の第一次ピークの頃に数十軒の超人気店に県内外からの讃岐うどん巡り客が集中し、映画『UDON』と「1000円高速」の特需で当初の超人気店以外の店にも人があふれ始め、同時に新しい店も増え始めて「二極化」の度合いが少し薄れ、2010年代に入って新しい店を含めた超人気店が再編され始めて、二極化度合いが少し戻り始めた…というのが筆者の印象です。

 では、こうした状況の変化を踏まえながら、この年の新聞に載ったうどん関連記事を見ていきましょう。

出雲大社で讃岐うどん・出雲そば・三輪素麺の「3麺交流」開催

 行政の大好きな“交流イベント”の話題が一つ。

(3月1日)

讃岐うどん・出雲そば・三輪素麺「3麺交流」食文化発信 出雲大社で12日「献麺式」 琴平観光協会など初企画

 琴平町観光協会などは29日、讃岐うどんと出雲そば(島根県出雲市)、三輪素麺(奈良県桜井市)の3種類の麺を献上する「献麺式」を12日に出雲大社で初めて行うと発表した。…(中略)…「こんぴらさん」の愛称で親しまれている金刀比羅宮(琴平町)、日本最古の神社とされる大神神社(桜井市)、記紀神話の「八百万の神」が集まるとされる出雲大社は共に同じ祭神を祭り、日本を代表する神社。また、強いコシの讃岐うどん、細麺が特徴の三輪素麺、香り高い出雲そばは、昔から神社周辺に根付いた食文化であることから、各観光協会や神社などが「神話」と「麺」に着目し、献麺式を企画した。…(以下略)

 記事に「初めて行う」とありますが、「讃岐うどん」と「出雲そば」と「三輪素麺」の“3麺交流”は、この10年前の平成18年に「こんぴら温泉まつり」の一環行事として「金陵の郷」で開催されています(「平成18年」参照)。今回の「三麺交流・献麺式」も10年前の「こんぴら温泉まつり」も琴平町観光協会が主催のイベントなので、まさか忘れていたなんてことはないと思いますが(笑)、「出雲大社で献麺式を行うのが初めて」という意味なら、ちょっと紛らわしい表現。ちなみに、「3麺交流」というのはいろんな交流行事の中でもちょっと差別化された切り口なので、何かおもしろい展開ができたらいいですね。

丸亀市と福井県坂井市が丸亀城内で「釜玉うどん」と「越前おろしそば」の“全麺対決”を開催

 神社つながりの「3麺交流」に続いて、今度は丸亀市と福井県の坂井市が“お城つながり”で、「全麺対決」なるイベントを行いました。

(9月18日)

丸亀市「釜玉うどん」、福井・坂井市「おろしそば」 “全麺対決”へ火花

 勝つのは「釜玉うどん」か、「越前おろしそば」か。丸亀城のある丸亀市と丸岡城のある福井県坂井市が18日、丸亀城内でご当地麺の“全麺対決”に臨む。「1杯300円で、300食を先に売り切った方が勝ち」というルールで人気を競う。…(中略)…

 両市は、現存の天守を持つ12の自治体が一体的に観光PRにつなげようと結成した「現存12天守同盟」に加盟。代表的な名物にうどん、そばという麺があることから、18日の「丸亀城シルバーフェスタ」(市観光協会主催)で初の対決イベントを開くことになった。坂井市からは、高校生を含む女性ばかりのそば職人5人と市職員ら計19人が来訪。大手一の門に甲冑姿で現れ、「手加減は無用。いざ尋常に勝負せよ」と書かれた坂本市長名の挑戦状を、同じく甲冑姿で待ち受ける梶市長に渡した。…(以下略)

 こちらは何だか、税金を使ってうどんで遊んでいるだけのようにも見えますが(笑)。ちなみに、福井県坂井市は「越前おろしそば」の本場だそうですが、丸亀市は綾川町の「山越」発祥の「釜玉うどん」ですか。丸亀市は市の公用車に県外資本の「丸亀製麺」の広告を付けて走らせるなど、讃岐うどんの歴史や文化にあんまり敬意を払ってないかのように見えたりもしますが(笑)、まさかそんなことはないですよね。

香川を舞台にした漫画とアニメが揃い踏み

 コラム「一日一言」が、香川を舞台にしたマンガ『うどんの国の金色蹴鞠』と、テレビアニメ『結城友奈は勇者である』に触れていました。
 

(3月1日)

コラム「一日一言」

 屋島や高松港、トキワ街など、県民なら誰もがそれとわかる風景の中を、宗太と子どもに化けたタヌキのポコが駆け抜ける。高松市出身の漫画家・篠丸のどかさんが描く『うどんの国の金色蹴鞠』の一コマである。…(中略)…観音寺市を舞台にしたテレビアニメ『結城友奈は勇者である』もその一つ。ファンの間で「ゆゆゆ」と呼ばれる作品には、実在するうどん店やカラオケ店まで登場する。…(中略)…ポコは屋島のタヌキがモチーフ。うどん県の広報部長に就任したポコが香川のどんな魅力を発信してくれるか、注目したい。

 『うどんの国の金色蹴鞠』は2012年から2019年にかけてコミック誌で連載されたマンガで、『結城友奈は勇者である』は2014年から2021年にかけて放送されたテレビアニメ。いずれも香川県がメインの舞台で、実在のうどん店が出てくるということで、作品のファン以外の県民にもちょっと話題になりました。作品に登場するタヌキの「ポコ」は「うどん県の広報部長」に就任したそうですが、この年、アニメ化を記念して琴電瓦町駅でポコをあしらったラッピング電車の出発式も行われました。

(10月10日)

アニメ化PRへ、ポコ電車GO! 声優ら、琴電瓦町駅で出発式 

 高松市出身の漫画家、篠丸のどかさんが描く香川を舞台にした作品『うどんの国の金色蹴鞠』のアニメ化を記念し、琴電瓦町駅で9日、人間の子どもに化けたタヌキの「ポコ」をあしらったラッピング電車の出発式があった。ポコ役を務める声優の古城門志帆さんらが電車に出発進行の合図を送るなどして、利用客らにアニメの放送開始をPRした。同作品は、東京から実家の高松に戻った青年の俵宗太とポコが繰り広げるファンタジー。新潮社の『月刊コミック@バンチ』で連載している。アニメは西日本放送で16日から始まり、毎週日曜午前7時から放送される。…(以下略)

 『うどんの国の金色蹴鞠』と『結城友奈は勇者である』は、映画『UDON』と違って「うどん」がメインテーマではないので、讃岐うどん業界に“特需”を生み出すような効果は特にありませんでしたが、讃岐うどんブームは「ゲリラうどん通ごっこ」~『恐るべきさぬきうどん』の「本」に始まり、続いて「映画」になり、さらに「マンガ」と「アニメ」になり、その間、ローカルの「テレビドラマ」も作られ、うどん関連の「歌」も何曲も作られるなど、いろんな文化分野に「うどんで遊ぶ人」が広がってきました。あとは「大人気うどんゲーム」が出てくるのを期待したいところですが(笑)、果たして画期的なクリエイターは現れるのでしょうか。

ナンバープレートに「うどん」、試験問題に「うどん」

 続いて、「讃岐うどん発祥の地」を名乗る綾川町が、バイクのナンバープレートのデザインに「うどん」を入れました。

(3月10日)

綾川町ナンバープレート うどんや梅デザイン

 綾川町は合併10周年を記念した取り組みとして、全国から公募していたオリジナルナンバープレートのデザインを決めた。町が発祥の地としてアピールしている讃岐うどん、学問の神様・菅原道真が好んだ町木の梅などを描いており、排気量125cc以下のバイクに4月15日から交付する。…(以下略)

綾川町ナンバープレート

 さらに、香川大学の学内試験に「うどん」を絡めた問題が出たという記事が。

(3月20日)

入試問題に「香川愛」

 「ダシを飲み干したことにより、血中の塩濃度が上昇した。血中塩濃度を感知する組織の名称を記せ」。香川大の前期日程の試験で、「うどん」を題材にした問題が出された。…(中略)…香川大に尋ねてみると、「うどん愛」との答えが返ってきた。出題者らの実体験が題材に選ばれた理由だそうだ。…(中略)…ユニークな問題の出題意図が気になり、香川大に尋ねてみると、「うどん愛」との答えが返ってきた。…(以下略)

 さすがに入学試験ではなく「前期日程の試験」とのことですが(笑)、たぶんいろんな中学校や高校のテストで先生が「うどんネタ」を繰り出してるんじゃないでしょうか。ちなみに、この記事が出た後、「うどんネタの試験問題は香川大学でなくて、麺通団団長のいる四国学院が先にやるべきだったと思いますが」という声が聞こえてきましたが、残念ながら筆者には試験問題を作る権限がございませんので(笑)。

まだまだ出てくる“新メニュー”

 こんなのをいじってたらキリがないのですが、この年もうどんの新メニューネタが3本載っていました。

(1月31日)

「空海うどん」付き宿泊パック 逆打ちの年記念

 穴吹エンタープライズが運営する国民宿舎「松琴閣クアパーク津田」は、四国八十八カ所を88番から逆回りで巡礼する「逆打ち」の年を記念し、オリジナルの「空海うどん」を提供する宿泊パックを販売している。…(中略)…「空海うどん」は団子をつぶしたような形状のあん入りのうどんで、イリコダシを使っている。さまざまな説を元に考案した。…(以下略)

(2月10日)

「オリーブうどん」コンビニでどうぞ 坂出一高生考案 県産品使用、29日まで販売

 坂出一高の食物科の生徒3人が考案したうどんが9日、大手コンビニエンスストアの中四国各店にお目見えした。商品名は「福を牛牛(ぎゅうぎゅう)オリーブうどん」。県産小麦「さぬきの夢」にオリーブの葉の粉末を練り込んだ麺など、地元の食材を使ったアイデア商品で、29日まで販売される。…(中略)…地域食材を使用したメニューを競う農林水産省主催のコンテスト「ご当地!絶品うまいもん甲子園」で、中国四国エリア選抜校となった特典として、応募したレシピを元に商品化された。「福を-」は、ファミリーマートの中四国地方の店舗約900店で取り扱う。オリーブの葉などを混ぜた麺に、いりこを使ったダシを合わせ、甘辛く味付けをした牛巻き、牛肉煮、煮卵などをのせている。…(以下略)

(2月19日)

うどんで「美髪」に 高松の美容室、ヒジキ使った麺開発

 うどんを食べて「美髪」に。ビタミンやミネラルを豊富に含むヒジキを使ったうどんを、高松市内の美容室が製麺メーカーと共同開発した。…(中略)…「ひじきうどん」は、ミキサーで細かく砕いた国産ヒジキを半生麺に練り込んでおり、白い麺に黒色のヒジキをちりばめた。国産小麦によるコシの強い極太麺と海草の風味が特徴。…(以下略)

 ここのところ毎年のように“出オチ”みたいな新メニューの話題が出ていますが、とりあえず新聞に載ったので「ツカミはオッケー」ということで(笑)。

香川大学農学部が「うどん学」を開講

 香川大学農学部が「うどん学」という授業を始めました。

(4月1日)

「うどん学」を開講 香川大農学部 産業振興へ人材育成

 香川大農学部は2016年度から「うどん学」を開講する。県内外の学生に県産小麦の栽培状況や製粉技術の現状を学んでもらう他、麺のこしを科学的に分析したり、実際に麺を打ったりするなど実践的な講義も実施。原材料から製造に至るまで多角的に「うどん」を学べるようにする。14年度に開講した「オリーブ学」、15年度の「希少糖学」に続く地域資源シリーズの一環。…(中略)…

 「うどん学」は全学部の3、4年生の前期(4~8月)選択科目。講義では農学部と医学部の教員や、製粉、製麺会社の専門家らが教壇に立ち、製粉技術や県産小麦「さぬきの夢」の特性などについて解説する。製麺工場の見学やうどん打ち体験なども行う予定。期末試験は「うどん学検定」を兼ね、合格すれば合格書を受け取ることができる。…(以下略)

 同学部では「地域資源シリーズ」で「オリーブ学」と「希少糖学」を開講していて、その第3弾が「うどん学」とのこと。うどんの知識と科学と、ちょっとだけ実践もあるみたいで、最後は「うどん学検定」で締められているそうです。県と強いつながりのある大学ですから、「さぬきの夢」のPRもちゃんと入っています。

大和製作所が「麺ソムリエ」と「製麺マイスター」の認定制度を始める

 大和製作所が、うどん、そば、ラーメン、パスタを対象とした「麺ソムリエ」と「麺マイスター」を認定する制度を始めました。

(1月12日)

「麺ソムリエ」認定します 大和製作所(宇多津)制度創設 「店舗PRに活用を」

 製麺機メーカーの大和製作所(宇多津町)は、うどんやラーメンに関する高い知識や技術を身に付けた人を「麺ソムリエ」に認定する制度を創設した。プロ向けの資格で、取得することで店舗のPRに役立ててもらう。麺に特化した「製麺マイスター」も合わせて創設。年度内に認定試験を開始する。

 麺ソムリエは製麺技術などの他、素材の見極めや店舗経営の知識も認定の条件。本格的な一杯が作れるだけでなく、店舗を開業・運営できる人材の育成を目指す。製麺マイスターは各種の麺が作れ、時間内に一定数が製造できるなどプロレベルの技術を求める。いずれもうどん、ラーメン、そば、パスタの4コースがあり、初級の「ジュニア」と上級の「シニア」を設けた。ソムリエは同社の麺学校の講習、マイスターは同社の麺講習会を受講した上で、筆記と実技の総合評価で認定する。制度創設に合わせ、同社は一般財団法人インターナショナル麺ソムリエ協会を設立。藤井薫社長が理事長を務め、同社の麺学校の講師らが資格認定を行う。…(以下略)

 こちらは民間の一企業が作った認定制度。讃岐うどん界は「職人の肩書き」より「店の人気」の方が圧倒的に強い世界なので、このあたりの資格や肩書き制度はかなり苦戦することが予想されますが、いずれにしろ、いろんなところでいろんな動きが起こって賑やかになってくるのは何よりです。

防災食にうどん

 観音寺市と三木町で、行政と製麺業者の間で「災害時にうどんを供給する」という協定が結ばれました。

(1月14日)

災害時の食料確保へ 観音寺市 乾麺製造7社と協定

 観音寺市は13日、大規模災害時の被災市民の食料確保を目的に、市内の乾麺製造7社と「災害時の乾麺等の供給に関する協定」を締結した。市が食料確保のため市内の業者と協定を結ぶのは、2014年11月の米穀業者以来2例目。…(中略)…7社は大規模災害時に出荷用の製品を被災者に提供する。…(中略)… 紀州屋以外の6社は次の通り。(順不同)高原通商店、マルキン、合田照一商店、讃岐物産、讃州、合田平三商店

(10月7日)

藤井製麺と災害時協定 三木町防災組織

 南海トラフ巨大地震に備え、三木町の下高岡正一・川原井防災組織と「藤井製麺」はこのほど、防災協定を結んだ。有事の際、同社は同防災組織の要請に応じて、そうめんや乾麺を無償で提供する。…(中略)…同防災組織は2008年に発足し、避難や炊き出しの訓練などに定期的に取り組んでいる。

 …というふうに、いろいろと「うどん」を題材にした取り組みやら遊びやらがあちこちで行われ続けているというこの頃です。あと、しばらく本欄では取り上げていませんが、県や組合が主催する「うどんの日」のうどん無料振る舞いや「さぬきの夢2009」を使ったうどんを品評する「技能グランプリ」や「年明けうどん大会」等々のイベントも続いています。

うどん関連の新聞広告は24本

 うどん関連の新聞広告は24本。ピーク時の10分の1の状態が5年ぐらい続いています。この年、昨年に栗林公園店を閉店した「丸亀製麺」が初めて新聞広告を掲載していましたが、そこに「うどんはくびれ」という謎のキャッチコピーが付いていました。

H28_丸亀製麺広告

 讃岐うどんでは麺の「ねじれ、ちぢれ」は聞きますが、「くびれ」は初めて聞く表現。やっぱり「丸亀製麺」は、うどんの麺に対する感覚がひと味違います(笑)。

<県内うどん店>
【高松市】

「さぬき麺業」(高松市松並町)………3本
「丸亀製麺」(高松市香西本町他)……2本
「はなまる」(高松市三条町他)………2本
「さか枝」(高松市南新町他)…………1本 11月27日オープン
「うどん棒」(高松市亀井町)…………1本
「てら屋」(高松市檀紙町)……………1本
「ヨコクラうどん」(高松市鬼無町)…1本

【中讃】

「塩がま屋」(宇多津町)………………1本
「めりけんや」(宇多津町)……………1本
「こだわり麺や」(宇多津町)…………1本
「とみや」(善通寺市金蔵寺町)………1本

<県内製麺会社>

「石丸製麺」(高松市香南町)…………3本
「こんぴらや」(まんのう町)…………2本
「藤井製麺」(三木町)…………………1本

<その他>

「さぬきうどん技術研修センター」……2本
「中野うどん学校」(琴平町)…………1本

(平成29年に続く)

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