さぬきうどんのメニュー、風習、出来事の謎を追う さぬきうどんの謎を追え

vol.69 新聞で見る讃岐うどん

新聞で見る平成の讃岐うどん<平成23年(2011)>

(取材・文: 記事発掘:萬谷純哉)

  • [nazo]
  • vol: 69
  • 2023.09.07

全国のトップニュースは東北大震災、讃岐うどん界のトップニュースは「うどん県」宣言

 平成23年(2011)の日本最大の出来事は、3月11日に起こった東日本大震災と、それに伴う原発事故に尽きます。この未曾有の大災害に対し、香川からもうどんの炊き出し等で多くの支援隊が被災地に向かいました。一方、県下讃岐うどん界では、6月の「高速1000円終了」と、10月の「うどん県」宣言が大きな出来事のトップ2。では、この3つに関する新聞記事から見ていきましょう。

被災地へ「うどん支援」も続々と

 震災後、四国新聞には連日、県内の企業や団体、個人等の被災地への支援活動や義援金等の状況が掲載されていましたが、そのうち、うどん関連の記事が3本ありました。

(3月21日)

うどん乗せ被災地へ 高速バスでリレー(ジェイアール四国バス)

 高速バスでうどんを被災地にリレー。東日本大震災で東北方面への物資輸送ルートが限られる中、ジェイアール四国バス(高松市)が高速バス路線を活用し、被災地にうどんを届ける活動を始めた。東京便に半生うどんを詰め込み、東京でジェイアール東北(仙台市)の東京―仙台間の高速バスにリレー、被災地に本場のうどんを届ける。ジェイアール四国バスが運行する四国―東京間の夜行バスは、震災後、上り便では空席が出ていることから、バスの空きスペースを有効活用してうどんを被災地に送ることにした。

 うどんはJR四国グループで製麺を手掛ける「めりけんや」(宇多津町)から調達。香川で東京行きの夜行バスにうどんを積み込み、翌朝、東京に到着した後、ジェイアールバス東北の仙台便に積み替え。一部はジェイアールバス関東の業務便で福島県内に届ける。19日夜には、600食分を積み込んだ観音寺発の夜行バスが東京に向け出発した。今後も現地の要請に応じて順次輸送を続ける。…(以下略)

(4月8日)

被災地「応援うどん」販売 はなまる新商品、1杯10円を寄付

 セルフうどん店を全国展開する「はなまる」は11日から、緑黄色野菜をメーンに使った「日本応援うどん」を地域限定で販売する。売上の一部を東日本大震災の被災地復興のための義援金として寄付する。…(中略)…東北と関東を除く「はなまるうどん」145店舗(うち県内13店舗)で5月末まで販売。売上から1杯につき10円を寄付する他、同じ金額を同社が上乗せして拠出する。

(4月9日)

うどん8700食炊き出し 中讃の支援隊出発

 県中小企業家同友会中讃第2支部のメンバーらで作る東日本大震災の被災地支援隊が8日、被災者に讃岐うどんを届けようと丸亀市を出発した。10日から15日まで、宮城県の南三陸町や石巻市の避難所で炊き出しを行い、釜玉うどん計8700食を振る舞う。

 支援隊メンバーは、県中小企業家同友会の野田勝利代表理事ら11人で、同支部の会員企業やその社員、一般ボランティアらで構成。うどんの他、粉ミルクや紙おむつ、丸亀市から提供された中古自転車などを積み込み、トラックなど3台で現地に向かった。…(以下略)

 記事によると、「ジェイアール四国バス」は「半生うどんを届ける」、「はなまる」は「義援金」、「同友会」は現地での「炊き出し」と、いろんな形での支援が行われたようです。被災地の水や電気、ガス等のライフラインの状況がわからないので、どういう形がベストだったのかもわかりませんが、炊き出し部隊がメニューに「釜玉うどん」を選んだのは、「締める水が不要」という点ではベストだったかもしれません。

「高速1000円」が終了

 2年前の平成21年3月20日に始まった「瀬戸大橋の通行料金が休日(土日祝日)上限1000円」という激安キャンペーンが、「爆発的な讃岐うどん巡り客の増加」という大きな成果を上げて、6月19日に終了しました。前年の記事に何度も「高速1000円が(平成20年)6月に終了する前の駆け込み需要が…」と書かれていましたが(「平成22年」参照)、あれが「1年勘違いした誤報」だったのかどうかがわからないまま(笑)、正式終了は去年ではなくこの年です。

 まず、「高速1000円」が適用される最後のゴールデンウィークの状況をレポートした記事から。

(5月10日)

県GWまとめ 休日1000円効果…「安・近・短」顕著に

 ゴールデンウィーク期間中の高速道路と鉄道の利用状況が9日まとまった。5連休があった前年と比べ、休みが取りにくい曜日配列だったものの、「高速1000円」の駆け込み利用や東日本大震災の自粛ムード緩和などで、高速道は例年にない渋滞が発生。うどん店や百貨店なども賑わいを見せた。…(中略)…

 有名うどん店は軒並み前年並みの混み具合。開店時間を早める動きも目立った。「なかむら」(丸亀市飯山町)では連日、県外客らが長蛇の列を作った。同店によると、「関東の客が減ったが、関西からの客が目立った」。「おか泉」も最大3時間待ちの状況となった。…(以下略)

 「高速道は例年にない渋滞が発生」とのことで、「高速1000円」効果は2年経っても衰えるどころか、さらに大きくなっているのかもしれません。有名うどん店は「開店時間を早める」とか「長蛇の列」とか「3時間待ち」とありますが、前年との比較がないので「高速1000円」やGW効果の度合いは記事からはわかりません。「引き続き大盛況」といったところでしょうか。

 そして、「高速1000円」終了直前のレポート記事が2本。

(6月12日)

駆け込み利用相次ぐ 「1000円高速」19日まで 

 高速道路の上限1000円制度が19日で打ち切られるのを前に、県内の観光スポットでは駆け込み利用する県外客らで賑わっている。…(中略)…2年前の「1000円高速」開始以降、県外客が急増したうどん店。制度終了を前に大勢の人でごった返した。「がもう」(坂出市加茂町)では雨の中、100人以上が長蛇の列。…(中略)…普段より100人多い約2200人が来店した「山越」(綾川町)では、いつもは少ない関東ナンバーの車も目立ったという。店主の山越伸一さん(41)は「来週はもっと多いのでは」とした上で、「1000円高速が終われば遠方のファンは来づらくなる」と心配した。…(以下略)

(6月20日)

県内に「駆け込み客」 うどん店混雑、渋滞11キロ 「高速1000円」終了

 最後の「1000円高速」を満喫。「休日上限1000円」適用最終日となった19日、県内の観光スポットや有名うどん店は「駆け込み利用」のマイカー客らで終日にぎわい、高松自動車道では午後に入って渋滞が続いた。…(中略)…有名うどん店も軒並み混雑。「おか泉」(宇多津町)は普段の週末より200玉多い1600玉を準備したが、2時間待ちの状況が続いた。…(以下略)

 「山越」に2200人、「おか泉」が2時間待ちとあります。これまで、「山越」は「1日3000人」、「おか泉」は「3時間待ち」といった数字が出ていましたが、この記事はゴールデンウィークではない日の数字ですから、やはり「高速1000円の駆け込み利用」が起こっていたと思われます。

 そして、「高速1000円」が終了した後の記事も載っていました。

(7月25日)

「1000円高速」終了1カ月 県内観光地、正念場の夏 うどん店も苦戦

 「1000円高速」が6月に終了して1カ月余り。瀬戸大橋などの通行台数が落ち込む中、堅調に客数を伸ばしてきた県内の観光地やレジャー施設にも影響は及んでいる。有名うどん店では県外からの客足が遠のき、1000円高速の開始前の水準に売上が戻った店も。…(中略)…

 「覚悟はしていたけれど、1000円高速が始まる前に戻った感じだ」と話すのは「山越」(綾川町)の山越伸一店主。土曜日の来店者は2割ほど目減りしており、「夏休みに入ったので、遠出を避ける動きが収まってくれればいいが」と心配する。「山内うどん」(まんのう町)も週末の客数が3割減少した。「本当にガタッと落ちた。ここまで減るとは」と同店。…(中略)…うどん店の中には「県外客が減る一方で、混雑を敬遠していた県内客が戻っている」との声もある。…(以下略)

 「高速1000円」が終わると「高速1000円前の水準に戻った感じ…」とのことですが、2年間限定のサービス措置というのはある種「イベント」みたいなもので、イベントというのは基本的に開催した時だけ人が増えるという性質のものですから、まあ普通そうなるでしょう(笑)。

 ただし、「高速1000円」が始まる前はもう空前の讃岐うどん巡りブームの真っ只中でしたから、「高速1000円前の水準に戻った感じ…」というのは、「山越」や「山内」といった人気うどん店は相変わらずの“大繁盛”が続いているということです。従って、この記事は「ブームが去って落ち込んでいる」という予定稿で書かれているようにも思えます。あと、5月の記事では「高速1000円」と書かれていましたが、6月と7月の記事では「1000円高速」になっています。どうでもいいことですが(笑)。

香川県が「うどん県」を宣言

 そして10月に、全国で話題になった「うどん県」宣言が行われました。

(10月13日)

「うどん県」高々に宣言 東京でプロジェクト始動 郷土俳優のCM放映/県産食材レシピ紹介

 県は今秋から、自然、食、アートを通して香川を国内外にPRする「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトをスタートさせる。今後は県出身俳優らが出演するCMを首都圏で放映したり、県産食材を使った新レシピの紹介など多角的なキャンペーンを展開。11日には県出身の俳優、要潤さんと木内晶子さんを迎えた記者会見を東京で行い、浜田知事が2人を「うどん県副知事」に任命した。

 プロジェクトは、国内に広く認知された讃岐うどんを入り口に、一歩進んだ香川の魅力をPRしようと企画した。目玉として制作された3本のCM(各15秒)は、「瀬戸内海」「食」「アート」をテーマに、要さん、木内さんの他、俳優の石倉三郎さん、藤沢恵麻さん、タレントの松本明子さん、お笑いコンビのシャカ、バイオリニストの川井郁子さんが出演。また、商談会の席などで使うイメージビデオでは俳優の高畑淳子さんがナレーションを務めた。

 CMは羽田空港や東京メトロ、都内の映画館などで15日から順次放映する。また、要さんらを使ったポスターも羽田空港やモノレールなどに掲示する。「香川県からうどん県に改名」という設定で行われた11日の記者会見には、在京マスコミなどから約60人が出席。席上、出身俳優出演の2分間のプロモーションビデオが初公開され、続いて浜田知事が要さんと木内さんを「うどん県副知事」に任命。2人はさっそく名刺を配って歩き、会場を盛り上げた。

 続く第2部では、「さぬきうまいもん祭りin東京」が開催され、丸ノ内ホテルの山口仁八郎総料理長が、オリーブハマチやオリーブ牛などを使ったフランス料理を紹介。うどんの次に控える香川の味をアピールした。県は「これほど大がかりなプロモーションは初めて。瀬戸内海と食とアート・さまざまなツールとインパクトのあるCMを通して、広く深く香川を知ってもらいたい」と話している。要さんらのポスターは高松空港などでも掲示。プロモーションビデオは県のホームページで見ることができる。

 「うどん県」の言葉自体はこれまでに新聞のコラム等で出ていましたが(「平成22年」参照)、それを県が公式にやっちゃいました(笑)。キャンペーンの正式キャッチは「うどん県。それだけじゃない香川県」ですが、インパクトは断然「うどん県」。この年の「新語・流行語大賞」にも、「うどん県」の言葉だけが候補の50語に選ばれました。

 ちなみに、近年では「『うどん県』宣言が讃岐うどんブームを起こした」と思っている人もかなり増えているようですが(笑)、「うどん県」を宣言したから讃岐うどんブームが起こったのではなく、讃岐うどんブームがメイン素材(うどん店やうどんメニュー、うどん店巡りレジャー等)からサブ素材(関連商品、イベント等)にまで波及して不動のものになったのを背景に「うどん県宣言」をした、というのが正しい時系列です。

 そして「うどん県」宣言後、ネット上で大きな反響があったことが県から報告されました。

(10月14日)

「うどん県」大反響 特設サイト、アクセス1日で17万件 

 県が11日にスタートさせた香川の魅力を国内外にPRする「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトの特設サイトへのアクセスが殺到し、一時つながりにくい状態になっていたことが13日分かった。11日夕の開設から12日午後3時までの約1日のアクセス数は約17万件に上った。プロジェクトでは「瀬戸内海」「食」「アート」をテーマに、県出身の俳優、要潤さんや木内晶子さんらが出演し、「香川県からうどん県に改名」という設定のプロモーションビデオなどを制作した。

 11日夕、県観光情報サイト内に特設サイトを設置し、ビデオなどを公開したところ、設定のユニークさからツイッターの書き込みなどで話題に。同日午後9時頃から数時間接続しにくい状態となり、12日正午頃にはポータルサイトのトピックでも紹介され、再び回線が混雑した。11日夜から対応に追われた県は13日、大量アクセスに備え、サーバーの増設作業を終えた。県観光サイトへのアクセス数は通常1日1000件程度。県観光振興課は「予想外の反響。ネットを利用しない方にも見てもらい、香川の魅力を知ってほしい」と話している。

(10月18日)

「うどん県」反応上々 ブランド前面に

 県が11日からスタートした「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトについて、浜田知事は17日の定例会見で「うどん県に改名するといったインパクトのある映像やインターネットサイトの反響が予想以上で、概ね好評」とした上で、讃岐うどんのブランド力を生かして瀬戸内海や食、アートなど香川の魅力を全国にPRして行く考えを強調した。知事はプロジェクトの狙いを「うどんを前面に打ち出すことで興味を引きつけ、うどん以外の香川の魅力をアピールすること」と説明。「少しふざけているのではといった意見はあったものの、反応は概ね好評だ」とした。

 同プロジェクトの特設サイトにアクセスが集中し、一時つながりにくい状態となった要因については、県出身の俳優らが出演したコンテンツの魅力とともに、東京での記者会見に招待した著名ブロガー(ブログの書き手)が記事を掲載した効果を指摘し、「インターネットの口コミの凄さを改めて実感している」と語った。…(以下略)

 「ブロガー」にまだ(ブログの書き手)という注釈が入っていた時代(笑)。「うどん県。それだけじゃない香川県プロジェクト」が何を以て成功したとするのかは明示されていませんが、「話題になること」が目的であれば、間違いなく大成功です。

 そして、成功すれば乗っかってくるところが出てくるのも世の常で、さっそく丸亀市が「うどん県・骨付鳥市」を打ち出してきました。

(12月28日)

「うどん県」に「骨付鳥市」誕生!? 「全力鶏プロジェクト」始動(丸亀市)

 丸亀市は丸亀名物・骨付鳥を全国にPRする「全力鶏プロジェクト」を始めた。専用ホームページに「うどん県骨付鳥市」への改名を公約とする地方政党「日本骨付き党」が党員を募るという設定の動画を掲載。人気の高い「うどん県」プロジェクトのパロディーで、骨付鳥の知名度アップを図る。日本骨付党党首には、骨付鳥好きとして知られるココリコの遠藤章造さんを起用している。…(以下略)

 「骨付鳥市」を公式に宣言したのではなく、「骨付鳥市への改名を公約とする日本骨付き党が党員を募るという設定の動画を掲載する」という、何やら回りくどい設定でPRを始めました。ちなみに他にも、観音寺市の商店街が観音寺市を「うどん県いりこだ市」としてPRを始めたり、JR四国が高松駅の駅名表示看板に「さぬきうどん駅」と表示して、「『さぬきうどん駅』ではどこの駅かわからない」等のクレームを受けて「さぬきうどん駅」の「き」と「う」の間に「高松」と書かれた赤いスタンプを押してお茶を濁したりといった少々“悪乗り”な動きが起こりましたが、いずれも今ひとつ定着していないみたいです(笑)。

 続いて年末に、「うどん県」と大きく書かれたラッピングバスも登場しました。

(12月30日)

観光スポット巡る“広告塔” 「うどん県」バス登場

 県内の有名うどん店や観光スポットを巡る琴参バスの定期観光バスに28日、県の「うどん県。それだけじゃない香川県」をPRするラッピングバスがお目見えした。定期観光の他、県内外への貸し切りツアーなどでも使い、走る広告等として香川をアピールする。…(以下略)

 というわけで、「うどん県」のPR予算は宣言初年度から全開です。

台湾と中国の「讃岐」商標問題は、無効判決が続く

 続いて、台湾と中国で相次いで発覚した「讃岐」の商標問題の続報です。まず、台湾の一件から。

(1月21日)

「讃岐」商標登録無効決定に不服 台湾、地元企業申し立て

 台湾の経済部知的財産局が昨年11月末に「讃岐」などの商標登録を無効とする決定を出したことに対し、商標登録していた地元食品会社が「経済部訴願審議委員会」に不服申立てを行ったことが20日、分かった。これにより、無効決定の効力発効は一時停止となる。

 商標登録をめぐって争っている台北市のうどん店経営、樺島泰貴さん(38)が明らかにした。樺島さんによると、同委員会での審議は通常半年かかる上、その後、企業側は知的財産法院(裁判所)に訴えることも可能なため、最終的な結論が出るには1年以上かかる見通し。樺島さんは、2006年に台北市に出店。台湾企業が「讃岐」を商標登録していたため「讃岐うどん」の看板取り下げを余儀なくされたことを不服として、08年4月に商標登録の無効を求める審判を申し立て、10年11月に樺島さんの主張が認められる決定が出された。

 昨年末に樺島さんが無効を求めた商標14件のうち4件が主張通り無効を認められたのですが(「平成22年」参照)、案の定、相手側が不服申し立てをしてきて、「無効」の決定が一旦保留となりました。そして、12月に再び「無効」の決定が。

(12月9日)

「讃岐」は香川の地名 台湾の知財裁 商標登録の無効判決

 台湾企業による「讃岐」の商標登録を無効とした台湾の経済部知的財産局の決定を不服として、企業側が取り消しを求めた行政訴訟で、知的財産法院(裁判所)は8日までに訴えを却下した。同日、商標登録の無効を求めている台北市のうどん店経営、樺島泰貴氏が記者会見し、発表した。

 判決などによると、この企業は1998年に商標登録をして認められ、うどんを販売。その販売努力により台湾では「讃岐」と言えば、同社のうどんを連想する状況になったなどと主張。これに対し判決は、既に商標登録時に「讃岐」が香川県の古い地名であり、その特産はうどんであると台湾の消費者はよく知っていたと指摘。台湾企業の「讃岐」の商標は産地が香川県であると誤認させる恐れがあるなどとして、無効決定に誤りはないとの判断を示した。

 この企業は、2006年に台北市に出店した樺島氏に対し、商標登録を理由に「讃岐うどん」の看板を撤去させた。樺島氏は08年4月、知的財産局に商標登録無効を求める審判を申し立て、10年11月に同局が無効決定を出した。このため企業側は、同局を相手に行政訴訟を起こしていた。企業側は、最高行政法院(最高裁)に上訴する構え。樺島さんが無効決定を求めた14件の商標のうち、判決が出たのは今回を含め4件だけで、10件はまだ無効決定も出ていない。

 裁判というのは適当に判決を確定させるわけにはいかないので、基本的に面倒な段取りを踏むようになっているものですが、平成20年(2008)4月に樺島さんが裁判を起こして3年半後にようやく、全体の3分の1くらいの判決が「確定の一歩手前」(まだ最高裁への上訴の可能性が残っているので確定していない)まで来たというところです。ちなみに、「讃岐」を商標登録して「土三寒六」に「讃岐の看板を下ろせ」と言ってきた台湾の企業は、当初は「台北市の冷凍食品会社・南僑化学工業」と明記され、記事中で旧加ト吉との関係も示唆されていましたが、前年の記事では「台湾の冷凍食品会社」と書かれ、この年は「台湾企業」としか書かれていません。何か大人の事情が出てきたのでしょうか(笑)。

中国の「讃岐烏冬(讃岐うどん)」も、商標登録が一旦止まる

 続いて中国でも一つ、現地企業による「讃岐」の商標使用を一旦止めることができました。

(7月20日)

中国「讃岐うどん」商標 異議で登録認めず 県や業界の主張通る

 讃岐うどんを表す「讃岐烏冬」の文字が中国で商標出願されていた問題で、県は19日、県や業界団体などが中国商標局に対して行った異議申し立てにより、登録が認められなかったと発表した。

 県によると、中国から同日までに届いた異議決定書では「讃岐地域は特産品の『讃岐烏冬』で有名」、「異議申立人により中国で先行使用され、出願人が飲食店の区分で登録すると誤認を生じさせやすい」などとして県側の異議申し立てを認めるとしている。出願人は決定に不服がある場合は、15日以内に審判を請求できる。この問題では2009年8月、県や業界団体の代表が中国商標局に異議申し立てを行い、昨年6月には副知事らが北京市の同局を訪れ、直接請求していた。…(以下略)

 しかし例によって、ここから最終的な「商標登録無効」の判決が確定するまでにはまだ時間がかかる上、何しろ中国ですからあちこちでいろんなことが出てきてイタチごっこになるかもしれません(笑)。まあとりあえず、この台湾~中国の一連の商標登録問題の騒動は、海外に進出する企業の商標に対する注意喚起になったことだけは確かでしょう。

「本場さぬきうどん」のロゴマークの商標登録が承認される

 「本場さぬきうどん協同組合」が前年の6月に「本場さぬきうどん」のロゴマークと名称の商標登録を申請したのですが、とりあえずロゴの方の商標登録が認められたそうです。

(4月29日)

「本場さぬきうどん」ロゴ商標登録 県外業者と差別化へ(協同組合)

 県内のうどん店や製麺業者でつくる本場さぬきうどん協同組合(大峯茂樹理事長)は28日、特許庁に申請していた「本場さぬきうどん」のロゴマークの商標登録が認められたと発表した。県内業者に使用してもらうことで、近年増加してきた「さぬきうどん」を掲げる県外業者との差別化を図る。

 ロゴマークは組合が使用中のマークに「本場」の文字を追加し、昨年6月に特許庁に申請した。同時に申請した「本場さぬきうどん」の名称は、まだ登録されていないという。組合員(86業者)は無料で使用できる他、県内の事業者は組合に未加入のままでも手数料(1商品5万円、店舗は1年間5万円)を支払えば使用可能とする。組合では、ロゴマークの使用実績を積み上げた上で、将来は地域ブランド(地域団体商標)登録も目指す方針。…(以下略)

 ロゴと名称の商標登録申請の理由として、前年の記事には「県外で『さぬきうどん』をうたった店が増えているため、県内業者に『本場』のマークを使用してもらうことで消費者が区別できるようにし、ブランドの維持を図る」とあり、この記事にも「県内業者に使用してもらうことで、近年増加してきた『さぬきうどん』を掲げる県外業者との差別化を図る」とありますが、県内業者でも組合に入っていなければ「1商品5万円、店舗は1年間5万円」の手数料が必要というルールは、「県外業者と県内業者の差別化を図る」というより「組合員と非組合員の差別化を図る」みたいにも見えますが(笑)、どうなんでしょう。

「年明けうどん」も引き続きPR拡大中

 「年明けうどん」がイベントと商標登録で引き続きPRを進めています。1月と12月に関連記事が1本ずつ。

(1月3日)

年明けうどん定着へ 栗林公園などでPR行事 初詣、帰省客に振る舞う

 ”紅白の縁起うどん”で年明けを。県内の製麺業者やうどん店などが2009年の正月から売り出している「年明けうどん」のPRイベントが1日、県内各所で開かれ、初詣客や帰省客らに温かい紅白のうどんや持ち帰り用の半生麺などが振る舞われた。…(中略)…

 元旦のイベントは「年始の食の習わしとして一層の定着を図ろう」と同協議会や県などが取り組んでいるもので、今年で3年目。イベント会場の一つ、高松市の栗林公園では、午前10時のスタート前から約350人が行列を作り、用意した家庭調理用の半生麺や乾麺計1000袋は30分足らずで品切れとなった。…(中略)…イベントはこの他、土庄八幡神社(土庄町)と総本山善通寺(善通寺市)でもあり、温かい紅白のうどんが参拝客に振る舞われた。

(12月31日)

年明けうどん 46都道府県522社申請 全国制覇“王手”

 県内の製麺団体などで組織する「さぬきうどん振興協議会」が提唱した「年明けうどん」が、2012年で4年目を迎える。秋田の稲庭や埼玉の加須など各地の名産うどんも普及に名乗りを上げ、商標使用を申請した業者は宮崎を除く46都道府県の522社(27日現在)に上る。…(中略)…県内で「年明けうどん」を提供する店は、11月末現在で51店。一部店舗では11月に開催した「年明けうどんレシピコンテスト」で最優秀の総合グランプリに輝いた「初日の出うどん」を販売する他、金時ニンジンやトマトなど赤い具材を使ったオリジナルメニューも用意されている。…(以下略)

 1月の記事には「今年で3年目」とありますが、12月の記事では「2012年で4年目を迎える」となっています。「年明けうどん」は平成20年(2018)の8月に提唱されて平成21年(2019)の1月が1回目の実施ですから、「元旦のイベントは3年目、提唱からは4年目」ということだと思われますが、表記を統一しないと今後の記事がわかりにくくなりますよ(笑)。

高松空港で「うどん」の小ネタがいろいろ

 高松空港関連のうどんの小ネタがいろいろ新聞に載っていました。まずは前年登場した「うどんダシの出る蛇口」に続く第2弾、「手荷物受取所のベルトコンベヤーに回ってくる特大うどん鉢のオブジェ」です。

(11月1日)

手荷物受取所にうどん鉢 サンプル設置で歓迎(高松空港)

 うどん王国へようこそ。高松空港(高松市香南町)の手荷物受取所に1日、「特大うどん鉢」が登場する。手荷物を運ぶベルトコンベヤーにうどん鉢の大型サンプルを流し、品書きやのれんも飾り付けて「うどん県」への来訪を歓迎する。

 同空港では県と市町が昨年7月、県内各地の特産品などをPRする「空の駅かがわ」を開設。蛇口からうどんのだし汁が出るコーナーが好評を得ており、第2弾として県などが出資する高松空港ビルが企画した。手荷物受取所のベルトコンベヤーには、直径が約30~40センチある天ざると釜玉の2鉢を設置する。県産品をアピールするため、鉢には庵治石、盆には県産ヒノキを使用。うどん店の雰囲気を醸し出そうと、品書きを構内に張り出し、手荷物の出入り口には「おいでまあせ」などと書いたのれんのポスターを掲示する。…(以下略)

 預けた荷物が回ってくるのを待っているお客さんの中から、特大うどん鉢が回ってきたのを見て手を出して「おー、俺の荷物がようやく出てきたわ。目立つようにしとってよかった……って、何でやねん!」というノリツッコミする人が出てくるのを希望します(笑)。

 続いて、全日空が高松空港で提供する「空飛ぶきつねうどん」と、四国航空が高松空港の売店で販売する「讃岐うどん扇子」。

(11月30日)

空飛ぶきつねうどん 高松“就航” 東京線搭乗客に全日空サービス

 全日空と讃岐うどんがコラボレーション。高松空港ビルのうどん店で、特別メニューとして12月1日から「空飛ぶきつねうどん」が登場する。全日空の高松~東京線の搭乗客を対象にしたサービス品で…(中略)…きつねうどんの油揚げに航空機の絵とANAの焼き印を押しており、うどんに乗った油揚げが今にも飛び立ちそうに見える。…(以下略)

 機内サービスではなく、空港ビル内のうどん店でのサービスでした。ちなみに、日本航空と日清食品が共同開発した世界初の機内専用のカップ麺「うどんですかい(UDON de SKY)」は、これより19年も前の1992年から登場(搭乗?)し、以後、「そばですかい」「らーめんですかい」と展開されてスマッシュヒットしましたが、「空飛ぶきつねうどん」はその後、機内食になって空を飛んでヒットしたという話は聞きません(笑)。

(5月25日)

「讃岐うどん扇子」発売(四国航空)

 四国航空(高松市)は、香川の名物のうどんをデザインした「讃岐うどん扇子」を、同社が運営する高松空港の売店などで5月中旬から販売を始めた。…(中略)…同社は2007年から香川の新たな土産物作りに取り組んでおり、これまでにうどん柄の手ぬぐいや器を商品化している。…(以下略)

 まあ、この手の商品展開はよくある話ですね。

うどんの新商品、新メニューも続々

 さらにこの年は、うどんの新商品や新メニューの紹介記事がたくさん掲載されていました。まず、前年のコンテストで選ばれた「さぬきうどんバーガー」が、津田の松原SAで販売開始となりました。

(1月16日)

「さぬきうどんバーガー」、新たなB級グルメに 津田の松原SAで販売開始

 うどんを使ったご当地バーガー「さぬきうどんバーガー」の販売が15日、さぬき市津田町の高松自動車道津田の松原サービスエリア(SA)の上下線で始まった。「しょうゆ味のタレとパンの相性もよく、あっさりしていておいしい」と購入者の評判は上々。新たな讃岐のB級グルメとして、観光客から注目を集めそうだ。

 「さぬきうどんバーガー」は、同SAを管理運営する穴吹エンタープライズが昨年11月に開催したコンテストで最優秀に輝いた「醤油饂飩バーガー」を商品化。県産レタスの上に、小麦粉をまぶして揚げて醤油ダレを絡めたうどん、鶏肉ハンバーグ、目玉焼き、薬味のネギ、カツオブシを乗せてバンズで挟んでいる。…(以下略)

 続いて、多度津で「B級グルメブーム」に載っかって「鍋ホルうどん」が売り出されました。

(6月2日)

「鍋ホルうどん」で活性化

 庶民的な価格でご当地食が集まるB級グルメ戦線に、香川から名乗りを上げた「多度津鍋ホルうどん」。多度津鍋ホルうどん普及委員会委員長の内海武彦さん(66)は「地域活性化の起爆剤になってくれれば」と期待を込める。

 「多度津鍋ホルうどん」は、醤油ベースのホルモン鍋にうどんを入れて煮込んだ料理。同町内で老舗焼肉店を営む小原隆三さんの父親が1957年頃に考案。当時、旧国鉄の多度津工場に勤務する職員らの間で人気を得ていた。「大蒜やたまり醤油などを発酵させた秘伝のタレがうまさのポイント。絶品です」と内海さん。5月、まんのう町で開かれた「四国B級グルメフェスタ」では900食を完売。…(中略)…町内に鍋ホルうどん店は5店舗あるが、「交流人口を増やすには、もっと営業店を増やさないと」と内海さん。…(以下略)

 さらに、「萌えうどん」。

(5月22日)

土産用の「萌えうどん」

 うどん製造販売の「大庄屋」(琴平町)はパッケージデザインに“萌えキャラ”を採用した土産用の「萌えうどん」を21日発売した。土産用うどんの購入者は高齢者が比較的多いことから、新たな顧客層を開拓しようと高松市のデザイナー漆原秀紀さんと共同企画した。パッケージに採用したのは、家業のうどん店の乗っ取りを企む悪の組織に立ち向かう弘法大師の末裔、金丸アヤとレイ。…(以下略)

 そして、マグネシウム入り「健麺うどん」。

(12月2日)

マグネシウム入りうどん キスマ・ソルブズ開発 糖尿病の予防効果も

 協和化学工業グループで健康食品の販売などを手掛けるキスマ・ソルブズ(三木町)が、必須ミネラルの一種であるマグネシウム入りの「健麺(けんめん)うどん」を開発し、2日からインターネットで販売する。マグネシウムの摂取は糖尿病や高血圧の患者に有効との研究結果もあり、全国的に糖尿病患者が多い香川県民を主なターゲットに売り込む。…(以下略)

 他にも「『コープかがわ』が『宮武うどん』を再現した冷凍うどんを発売した」という記事も見つかりました。また、さぬき市の「どじょ輪ピック」の「創作どじょううどん」や、坂出市の「天狗まつり」の「天狗うどん」、東かがわ市の「どんと恋祭」の「七宝具うどん」、三豊市山本町の大興寺でお接待されている「ヒャッカうどん」等々も健在で、他にも新聞に載っていないうどん商品やメニューは県内にあふれています。「讃岐うどん巡りブーム」が起こって以来、いろんな業種でいろんなうどん関連商品が発売されてきましたが、「うどん県」宣言で、その動きにさらに拍車がかかったようです。

「酒に合ううどんコンテスト」開催

 「うどんに合う酒を考える会」が、「酒に合ううどん料理コンテスト」を開催。「香川の旬の食材を油揚げで包んだ料理」と「てっぱいにうどんを加えた一品」が選ばれたそうです。

(8月19日)

「酒に合ううどん料理は?」 「考える会」が募集

 県内の旅館組合や県酒造組合、本場さぬきうどん協同組合などで組織する「うどんに合う酒を考える会」(三矢昌洋会長)が、「酒に合ううどん料理コンテスト」を開催する。讃岐うどんを使用した新しい料理を募集しており、入賞したメニューは12月の「さぬきうまいもん祭り・食の大博覧会」に出品する。…(中略)…同会は「全国的に認知されている『そばと酒』のように『うどんと酒』の組み合わせを広めたい」としている。…(以下略)

(10月9日)

うどん料理 酒と相性! 高松でコンテスト 

 県内の旅館組合や県酒造組合、本場さぬきうどん協同組合などで組織する「うどんに合う酒を考える会」(三矢昌洋会長)が企画した「酒に合ううどん料理コンテスト」の最終審査会が8日、高松市松島町の市民文化センターで開かれた。…(中略)…コンテストはプロと一般の2部門があり、料理に合わせる酒は県産の純米酒「さぬきよいまい」で、使用する食材は県産品に限定した。…(中略)…最優秀の知事賞には、プロの部が西村裕子さん、一般の部は二川卓也さんが輝いた。西村さんはうどんと香川の旬の食材を油揚げで包んだ料理を考案。二川さんは郷土料理「てっぱい」にうどんを加えた一品が高い評価を受けた。…(以下略)

 「うどんに合う酒を考える会」が「酒に合ううどん料理コンテスト」とは、微妙に趣旨が変わっているような気もしますが(笑)、とりあえず「酒と料理の組み合わせ」ということで広く捉えておきましょう。

「さぬきうどん風呂」が登場

 続いて、「やしま第一健康ランド」で「さぬきうどん風呂」が登場しました。

(11月27日)

うどんそっくりの入浴剤でほっこり 「いい風呂の日」にイベント(やしま第一健康ランド)

 うどんにつかってポカポカ。「いい風呂の日」の26日、高松市屋島西町の「やしま第一健康ランド」で、うどんそっくりの入浴剤を使った「さぬきうどん風呂」が登場した。話題づくりにと初めて企画した1日限りのイベントで、入湯客は香川ならではのユニーク風呂で心と体を温めた。入浴剤は、ぶっかけうどん、天ぷらうどん、きつねうどんの3種類。重曹や塩、食紅などを使って手作りし、10日間かけて”20食分”を完成させた。入湯客はしょうゆの香りのする市販の入浴剤入りの湯船につかり、箸を使って麺やえび天、油揚げ、ネギなど好みの具材を湯の中に投入。シュワシュワと炭酸ガスが発生するため、えび天はまるで油で揚げているように見え、思わず笑顔を浮かべていた。

 うどんを張った風呂でもなく、風呂に入ってうどんを食べるのでもなく、「うどんを模した入浴剤」という“変化球”を投げてきました(笑)。「1日限りのイベント」だったそうですが、「ようそんなん作ったわ(笑)」という、変化球というよりもはや“魔球”。ただし、「ストライク」かどうかはわからない(笑)。

「うどんバス」が運行開始

 続いて、琴参バスが「うどん店と観光スポットを巡るバス」の期間限定運行を始めました。

(9月16日)

“うどんバス”、明日から運行 郊外店をコースに(琴参バス)

 琴参バス(丸亀市)は7日から来年3月末まで、県内の有名うどん店や観光スポットを巡るバスを期間限定で運行する。讃岐うどん人気が高まる中、観光客らにうどん巡りの足として利用してもらうとともに、県内での長期滞在を促す。ふるさと雇用再生特別基金を活用した県の委託事業として企画。マイカー以外で訪れる観光客を主なターゲットに、公共交通機関で行きにくい郊外のうどん店をコースに組み込んだ。高松市内や中讃地域のうどん店8店舗の協力を得て、3つのコースを設定。いずれのコースもうどん店を2、3店舗回り、観光スポットも立ち寄る。…(以下略)

 大型バスの横っ腹に大きく「讃岐うどん(味・アート)めぐり」と書かれたバスを目にしたことがある人も多いと思いますが、あれのことのようです。満員で走っているのをあまり見たことがないので「採算的に大丈夫なのかな?」と思っていたのですが(笑)、「ふるさと雇用再生特別基金を活用した県の委託事業」とのことで、県からお金が出ているようです。

 ちなみに、「狭い県内に多くのうどん店が点在している」という状態の讃岐うどん巡りには断然マイカーかレンタカーが便利なのですが、県外でガラガラの地域巡り観光バスに何度か乗ったことのある筆者の感想では、特に狙いの店がない客には「バスのお任せ旅」もなかなかの観光レジャー。演出次第ではもっと人気の出るコンテンツになると思いますが、いかがでしょう。

うどんのバイオ燃料化を研究中

 冷凍うどんの廃棄物からバイオエタノールを作ろうという研究が、官民の連携で進められているそうです。

(4月27日)

うどんからバイオ燃料 資源の循環活用促す 「ちよだ製作所」(高松市)が県と共同研究

 産業機器メーカーの「ちよだ製作所」(高松市)は、県などと共同で、製麺会社で廃棄されている冷凍うどんから代替燃料のバイオエタノールを製造する取り組みを進めている。独自開発の酵母を使うことでエタノールを効率よく製造。工場のボイラー燃料として製麺会社が自家消費することで、資源の循環活用を促す。

 うどんでのエタノール製造は、県内中小企業の研究開発や販路開拓などを支援する「かがわ中小企業応援ファンド」の2010年度の支援事業。ちよだ製作所、県産業技術センター、産業技術総合研究所四国センターが実用化に向け、11年度まで研究をすすめる。原料となるのは製麺会社の製造過程でラインから落ちるなどしたうどん。現在はすべて焼却処分されているといい、製麺会社から有効活用について相談を受け、研究に着手していた。…(以下略)

 「かがわ中小企業応援ファンド」の支援事業ということなので、これも県からお金が出ている研究。前出のバスもこれも、なかなか民間の単独ビジネスとしては成立しないようですが、地域の役に立ってくれることを願います。

「うどん脳」、デビュー!

 讃岐うどんのキャラクターとして認知度ぶっちぎりナンバーワンの「うどん脳」がデビューしました。公式サイトを見ると、誕生日は2011年7月7日で、8月に下の広告が四国新聞に出ていました(現在のイラストは、当初のものよりずいぶん垢抜けしているみたいです・笑)。

 ちなみに、あえて言うまでもないかもしれませんが、県のうどんキャラとしては香川県観光協会に「うどん県観光課係長」の「うどん健」がいて、「うどん脳」は「本場さぬきうどん協同組合」公認の「うどん大使」というポジション。あと、平成16年に「県生麺事業協同組合」(たぶん「本場さぬきうどん協同組合」の前身)が讃岐うどんPRキャラクターを決定して愛称を募集し、「今後、同組合では作品をTシャツのデザインに採用し、組合が展開するキャンペーンなどで活用していく」と新聞に書かれていましたが(「平成16年」参照)、あれはどうなったのでしょう(笑)。

H23広告・うどん脳

「久保田麵業」が広告ラッシュ

 この年のうどん関連の新聞広告は71本ありましたが、そのうちの半分近い32本が、手提げ型パッケージのお土産うどんが大ヒットした「久保田麵業」。それ以外のうどん関連広告は39本で、過去最低の本数でした。ちなみに「久保田麵業」は2年連続広告本数がトップで、しかも名前だけの協賛広告(数万円)ではなく、すべて一般広告(数十万円)です。

<県内うどん店>
【高松市】

「さぬき麺業」(高松市松並町)………4本
「源平うどん」(高松市屋島西町他)…3本
「愉楽家」(高松市林町)………………2本
「明石家」(高松市丸亀町)……………1本
「うどん棒」(高松市亀井町)…………1本
「松下製麺所」(高松市中野町)………1本
「しんせいうどん福岡店」(高松市福岡町)1本
「はなまるうどん」(高松市木太町他)1本
「もり家」(高松市香川町)……………1本
「さぬき麺市場高松伏石店」(高松市伏石町)1本
「てら屋」(高松市檀紙町)……………1本
「黒田屋勅使店」(高松市勅使町)……1本 11月11日リニューアルオープン
「ヨコクラうどん」(高松市鬼無町)…1本
「北山うどん」(高松市鬼無町)………1本

【中讃】

「せい麺や」(善通寺市)………………7本
「日の出製麺所」(坂出市富士見町)…1本
「塩がま屋」(宇多津町)………………1本
「釜ぼうず」(宇多津町)………………1本
「かめまる」(丸亀市飯山町)…………1本
「小縣家」(まんのう町)………………1本

【西讃】

「たも屋観音寺店」(観音寺市古川町)1本
「フジうどん」(三豊市仁尾町)………1本
「だいくや」(三豊市高瀬町)…………1本
「うどん茶屋さいた」(三豊市財田町)1本

<県内製麺会社>

「久保田麵業」(宇多津町)……………32本
「藤井製麺」(三木町)…………………1本
「合田平三商店」(観音寺市豊浜町)…1本
「民サ麵業」(高松市松並町)…………1本

(平成24年に続く)

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