香川県民のさぬきうどんの記憶を徹底収集 さぬきうどん 昭和の証言

木田郡三木町下高岡・昭和21年生まれの女性の証言

小麦を持って行くと小麦粉に製粉してくれた店は、今や香川を代表する製麺会社!?

(取材・文:

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  • vol: 82
  • 2015.07.17

小麦を持って行くと小麦粉に製粉してくれた店は、今や香川を代表する製麺会社!?

 エッ!? 小さい頃(昭和30年頃)にうどんを食べたこと? そうやなぁ。農家の大家族の中で育ったけど、祭りの時と稲刈りが終わった後に食べよったかな。食べる時は麺を打つとこから作っとったで。特別な麺打ち台みたいなんはなかったけど。ばら寿司と一緒に、かけうどんで食べたな。

 麺に使う小麦粉は、近くの藤井さんとこで製粉してもらっとった。藤井さん、今は「藤麺(※)」ゆうて大きな会社になっとるけど当時は個人でしとって、小麦を持って行ったら製粉してくれよった。もちろん、お金はなんぼかいったけど。家で作った小麦を持って、自分も何回かお遣いしたで。

 小麦を店の人に渡して何分か待っとったら、大っきな機械から綺麗な白い粉が出てきとった。藤井さんとこは昔はうどんの麺を作ってなくて、小麦の製粉だけしよったんとちゃう? 藤井さんみたいに製粉してくれるところはあったけど、うどんが食べられる店はなかったように思う。連れて行ってもらったことがないな。
 
 21歳で(三木町)田中の農家に嫁いで、それからは稲刈りの後に自分がうどんを用意することになったんやけど。作るんが大変やから麺は商店から買っとったな(笑)。

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