うどんは頻繁に食卓に登場していたけど、特別の日の食べ物という意識はなかった
物心ついた頃からうどんは食べよったわ。香川はいつでもうどんやわ。家で粉から作ってた。私の親の時代の話やわ。私の時代は家では作ってない。うどん屋へ行くか、うどん玉を買うか。
10代の頃は、家の近所にラーメン屋さんがあって行った記憶があるけど、うどん屋さんは覚えてない。近所にラーメンの麺を作りよるところがあったわ。「さえぐさ」いう名前だった。うどんはね、親が作ったこともあるけど、たいていは八百屋さんが出前を聞きに来て、今日はうどん玉何個いるとか頼んで茹でたうどんを持ってきてくれてたわ。配達してくれてた八百屋さんは南新町の谷岡さんだった。今はない。
うどん屋はねぇ、「あずまや」くらいかな。「初瀬」ゆううどん屋はあったけど、働いていた頃やからそれは昭和40年以降かな。場所は丸亀町から中央通りに入るところ、河野の陶器屋から入ったところ。
うどんの食べ方はね、しっぽくうどんは親が家で打ったうどんで食べてた。しっぽくはどろっとしたうどんじゃないとおいしくないもんね。里芋、ごぼう、人参、大根、お揚げ、こんにゃく・・・。しっぽくうどんが特別な日というわけじゃない。
配達してもらったうどん玉は、肉とかの具材を乗せて、ダシはすましやわなぁ。煮干しとかね。水炊きに入れたりもしよったわ。味噌煮込みとかはなかったなぁ。大晦日は年越しそばでしょう。うどんは食べんかった。
うどんはしょっちゅう食べてたけど、私の家は商売をしていて農家じゃないから、あくまでも普段の食事。祭りに寿司と一緒に食べるのは、農家へ嫁に行ってから知ったわ。