- 昭和の頃のうどん、何か覚えてますか?
- 子どもの頃、自転車の後ろにせいろを何段も積んで店にうどんを運んできてる人を見たことあるわ。製麺の業者さんやったんやろか。八百屋さんとか駄菓子屋さんとか、普通ならうどん売ってないようなとこで、せいろでどっかから持ってきたうどんを売っじょったんや。かき氷しよるとこの横とかでな。そのうどんはゆでたやつやったな。せいろにうどんを入れて、その上に新聞紙載せたりしとった。天ぷらも売りよったな。そんでの、うどんはもともと今より黒かったんで。少し。
- うどんが黒い?!
- ははは、もちろん真っ黒ではないで。黒ずんどったんや。今みたいに白うはないんや。黄色が強かったんかも分からんけど。真っ白やなかった。どんな色言うたらええんか…。今より黄色っぽくて太めやった。
- 法事とかの行事でうどんは食べましたか?
- 法事に行ったらお土産にうどんとかもらっとった。3段重ねの重箱みたいなんに、赤飯やおすしや天ぷらや、ゆがいたうどん入れて、それを風呂敷で包んでもらって帰っとった。法事の家へは店屋からうどんがせいろで来よって、そこで食べるんと持ち帰るんとを分けて用意しよった。
- うどんはどんなふうに食べてましたか?
- 実際のうどんには塩が入っとるけど、昼、家でするうどんは、打ち込みやドジョウ汁みたいなものをするけん、塩を入れないで打ちよった。打ち込み用のうどんにしよったんや。ほれで、それがこの辺の国分寺とか綾川とかではの、それにドジョウを入れたりするのがドジョウ汁になっていったんや。
- ということは、家でするうどんはみそ味ですか?
- そうやの。店でうどん玉を買って帰った時は、しょうゆかけて食べるんが基本やった。家でするんはみそ味やったの、基本的に。